湿邪
水は人間になくてはならないものですが、湿度の高すぎるところに長時間いると発汗がうまくおこなわれず、余分な水分が排出できなくなってしまいます。東洋医学では、湿邪が体内のいろいろな場所に溜まって『冷え』を起こすと考えており、冷えると、血液の循環が滞って代謝が悪くなり、 汗や尿として水分をしっかり排出できなくなります。そのため、むくみも起こりやすくなります。
湿邪は脾胃の機能を低下させ、重く濁り、粘着して停滞し、下降しやすく体の下部に症状が出やすいことから、むくみ、頭痛、胃もたれ、強い眠気胸やお腹がすっきりしない、残便・残尿感、腹水、下痢、浮腫、頭・手足・体の重だるさ、関節の痛み、尿の濁り、オリモノが増える、食欲不振、目やに、痰、鼻水などの症状がみられることが考えられます。
湿邪対策としては、まず体を湿気にさらさない工夫をしましょう。 雨が続くときは、降っている間は窓を閉めて湿気を入れないようにして、晴れたら窓を開けて風を通すようにします。部屋の湿度を40~60%に保つように除湿します。 さらに、体内の余分な水分を汗や尿で排出しやすい状態にしましょう。
生姜やネギ、三つ葉やセリなどの香味野菜やかんきつ類は、その香りで、胃腸の働きを活発にし、体内の余分な水分である湿の排出を助けてくれます。その他オススメの食材は、しそ、葱、柚子、三つ葉、山椒、唐辛子、ニンニク、にら、レモンなど。
キュウリやスイカなど、利水作用のある食材もおすすめです。利水のオススメ食材は、緑豆春雨、黒豆、西瓜、メロン、蛤、白菜、アスパラガス、グリーンピース、高菜、とうもろこしのひげ、緑豆や小豆、インゲンマメなどの豆類、ハトムギ、とうもろこし、冬瓜、セロリなど。
発汗を促す辛味食材は、とうがらし、ショウガ、香辛料などです。 水は下に溜まるので、の症状は下半身にあらわれやすいです。全身の血流をよくするためにも、靴下やスパッツの重ね履きなど、下半身を温めます。上半身は薄着でも大丈夫なので、暑いときは調節してください。 また、夏でもシャワーですませず湯船に浸かるのがオススメです。半身浴はリラックス効果で自律神経を整え、ストレスや痛みを軽減します。 ウォーキングやジョギング、水が溜まりやすい関節まわりのストレッチも効果的です。