暑邪
夏との関連が強く、陽邪であり、『燃え上がり発熱する』(炎熱)性質があります。暑邪が身体に入ると、熱で頭が働かずボーっとしたり、皮膚の弱い人は赤みが強く出て悪化したり、ひどく汗をかくといった影響が現れます。特に汗のかき過ぎには要注意。汗をかき過ぎると、津液とともに気も消耗してしまうため、倦怠感や息切れといった体調不良につながります。また、身体の水分が失われると血液が濃縮し、『心』にも大きな負担がかかります。汗のかき過ぎによる動悸やめまいは、症状が重くなると心不全など重大な病気を引き起こすこともあるので、十分注意してください。
もう一つ気を付けたいのは、暑さ・大量の発汗、その反動で水分を過剰に摂ってしまい、体内の水分バランスが乱れるので、水分代謝の悪化による不調が多く見られます。その影響がよく見られるのが『脾胃』。高温多湿の日本の夏は、暑邪とともに『湿邪』が侵入することも多くなります。そのため、湿気に弱い脾胃の機能が弱くなり、食欲不振や下痢、夏痩せといった症状が現れます。