子供の癇癪に|ツボ こんにちは、トレーナーの伊藤道生です。今日も暑いですね。先週一足早く夏休みをいただき、グアムに行ってきました。しっかりリフレッシュできたので、今年も残すところ後半戦、バリバリやっていきたいと思います! 夏休みということもあり、飛行機の中もグアムも子供が沢山いました。中には疲れてしまったのか、愚図って泣いたり騒いだりしてしまっている子が何人か居ました。今回は、そういった子供に効果のある『小児鍼』(しょうにしん)というものがあるので、お盆休みを前にご紹介したいと思います。 小児鍼とは、風邪や虚弱体質・喘息・夜泣き・かんのむし・夜尿症など、子ども特有の症状改善を目的として行う、子ども向けの鍼治療のことです。子供に鍼をするなんて野蛮だとか、怖いなどといった印象を持つ方もいるかもしれませんが、子供にする鍼は一般的に行われている鍼とは異なります。最大の違いは、『小児鍼は刺さない』ということです。鍼といえば注射針のような形を想像される方が多いと思いますが、小児鍼はイチョウの葉の形をしていたり、ローラー型だったり様々で、共通しているのは刺さずに、皮膚をなでるように行います。だから、『鍼灸師でなくてもお子さんに施術することができます』。 必要なものは、小さめのスプーンとお母さんの手、そして笑顔。小児鍼は、フワッと皮膚の表面をさする程度の刺激(エンゼルタッチ)で行います。このエンゼルタッチが自律神経系に働きかけ、リラックスした状態を作り出すので、子どもの筋肉を揉んだりツボを押そうとする必要はありません。スプーンは柄の一番下の部分を持って、腹の部分が子どもの肌に触れるように当てます。その時、お母さんが子どもに語りかけながら優しく触れることで、子どもも安心し情緒が安定します。 このような親子のスキンシップは、脳内で『オキシトシン』というホルモンの分泌を促します。オキシトシンは、別名『絆ホルモン』といわれ、ストレスを軽減して情緒を安定させます。スキンシップによって、子供だけでなくお母さんの方にも分泌が促されるので、互いに絆が深まる相乗効果があります。ちなみに、幼少期にたっぷりオキシトシンを出して分泌しやすい脳にしておくと、大人になってもストレスに強くなります。 また、親子のスキンシップが少ないと、実は大人になったときの恋愛に影響を及ぼすともいわれていて、他人と距離を取りたがったり、常に不安がつきまとったりします。これらは他人と親しくなるのを怖がったり、常に浮気の影に怯えたりと、恋愛をしにくい状況を作ってしまうそうです。 小児鍼がいくら子供向けの鍼といっても、どんな場合にも行えるというわけではありません。小児鍼は、生後6か月以降の小児が対象になります。小学校6年生くらいまでは、小児鍼の範囲であるといわれています。また、小児の悩みというのは、生活習慣や周りの環境に左右される場合が多々あります。例えば、睡眠不足や食生活の偏りなどです。 最後に小児鍼を行う場所ですが、子どもをうつ伏せにし、スプーンの腹で、頭のてっぺんから首の付け根、背骨を通ってお尻まで、上から下に、スプーンの後をママの手が追いかけながら、スプーンと手とで交互に摩ってあげます。「気持ちいいね」と声を掛けたり、歌を歌いながらやってあげましょう。お尻までいったら、また頭のてっぺんに戻ります。ゆっくり5回程繰り返してください。さすったところが少し発赤したり、子どものほっぺが「ポッ」と赤くなったら、刺激はもう十分というサインです。背骨の上には風邪予防や精神安定、胃や腸の働きを整えるツボなど、身体にとって重要なツボが沢山ありますので、頭からお尻までをなでることで、ツボが刺激されます。 特に脊柱上で第3胸椎と第4胸椎の棘突起間にあるツボを『身柱』(しんちゅう)といいます。首を前に曲げると首の付け根に骨が飛び出しますが、その骨が第7頸椎棘突起といい、その下に触れる棘突起が第1胸椎棘突起なので、順次棘突起を確認し、第3胸椎の棘突起を見つけます。このツボへのお灸は『ちりげの灸』と呼ばれ、古くから子供の『かん虫』の治療に用いられてきました。子供のストレスに効くツボなので、子供の夜泣きやストレス状態にあるときには、身柱を中心に肩甲骨部の皮膚を先ほどのようにスプーンで摩ってあげたり、タオルで軽く摩擦してあげるのもいいと思います。
こんにちは、トレーナーの伊藤道生です。今日も暑いですね。先週一足早く夏休みをいただき、グアムに行ってきました。しっかりリフレッシュできたので、今年も残すところ後半戦、バリバリやっていきたいと思います! 夏休みということもあり、飛行機の中もグアムも子供が沢山いました。中には疲れてしまったのか、愚図って泣いたり騒いだりしてしまっている子が何人か居ました。今回は、そういった子供に効果のある『小児鍼』(しょうにしん)というものがあるので、お盆休みを前にご紹介したいと思います。 小児鍼とは、風邪や虚弱体質・喘息・夜泣き・かんのむし・夜尿症など、子ども特有の症状改善を目的として行う、子ども向けの鍼治療のことです。子供に鍼をするなんて野蛮だとか、怖いなどといった印象を持つ方もいるかもしれませんが、子供にする鍼は一般的に行われている鍼とは異なります。最大の違いは、『小児鍼は刺さない』ということです。鍼といえば注射針のような形を想像される方が多いと思いますが、小児鍼はイチョウの葉の形をしていたり、ローラー型だったり様々で、共通しているのは刺さずに、皮膚をなでるように行います。だから、『鍼灸師でなくてもお子さんに施術することができます』。 必要なものは、小さめのスプーンとお母さんの手、そして笑顔。小児鍼は、フワッと皮膚の表面をさする程度の刺激(エンゼルタッチ)で行います。このエンゼルタッチが自律神経系に働きかけ、リラックスした状態を作り出すので、子どもの筋肉を揉んだりツボを押そうとする必要はありません。スプーンは柄の一番下の部分を持って、腹の部分が子どもの肌に触れるように当てます。その時、お母さんが子どもに語りかけながら優しく触れることで、子どもも安心し情緒が安定します。 このような親子のスキンシップは、脳内で『オキシトシン』というホルモンの分泌を促します。オキシトシンは、別名『絆ホルモン』といわれ、ストレスを軽減して情緒を安定させます。スキンシップによって、子供だけでなくお母さんの方にも分泌が促されるので、互いに絆が深まる相乗効果があります。ちなみに、幼少期にたっぷりオキシトシンを出して分泌しやすい脳にしておくと、大人になってもストレスに強くなります。 また、親子のスキンシップが少ないと、実は大人になったときの恋愛に影響を及ぼすともいわれていて、他人と距離を取りたがったり、常に不安がつきまとったりします。これらは他人と親しくなるのを怖がったり、常に浮気の影に怯えたりと、恋愛をしにくい状況を作ってしまうそうです。 小児鍼がいくら子供向けの鍼といっても、どんな場合にも行えるというわけではありません。小児鍼は、生後6か月以降の小児が対象になります。小学校6年生くらいまでは、小児鍼の範囲であるといわれています。また、小児の悩みというのは、生活習慣や周りの環境に左右される場合が多々あります。例えば、睡眠不足や食生活の偏りなどです。 最後に小児鍼を行う場所ですが、子どもをうつ伏せにし、スプーンの腹で、頭のてっぺんから首の付け根、背骨を通ってお尻まで、上から下に、スプーンの後をママの手が追いかけながら、スプーンと手とで交互に摩ってあげます。「気持ちいいね」と声を掛けたり、歌を歌いながらやってあげましょう。お尻までいったら、また頭のてっぺんに戻ります。ゆっくり5回程繰り返してください。さすったところが少し発赤したり、子どものほっぺが「ポッ」と赤くなったら、刺激はもう十分というサインです。背骨の上には風邪予防や精神安定、胃や腸の働きを整えるツボなど、身体にとって重要なツボが沢山ありますので、頭からお尻までをなでることで、ツボが刺激されます。 特に脊柱上で第3胸椎と第4胸椎の棘突起間にあるツボを『身柱』(しんちゅう)といいます。首を前に曲げると首の付け根に骨が飛び出しますが、その骨が第7頸椎棘突起といい、その下に触れる棘突起が第1胸椎棘突起なので、順次棘突起を確認し、第3胸椎の棘突起を見つけます。このツボへのお灸は『ちりげの灸』と呼ばれ、古くから子供の『かん虫』の治療に用いられてきました。子供のストレスに効くツボなので、子供の夜泣きやストレス状態にあるときには、身柱を中心に肩甲骨部の皮膚を先ほどのようにスプーンで摩ってあげたり、タオルで軽く摩擦してあげるのもいいと思います。