免疫力を上げる
私たちの身の回りには、細菌やウイルス、ホコリや汚染物質など、身体に有害なものがたくさん存在しています。それらの物質にさらされても病気にならないのは、有害物質を身体から排除する『免疫』という防護システムがあるからです。
免疫細胞の主体をなすものが『白血球』ですが、これには役割分担があり、死んだ細胞を排除する・侵入者の存在を伝える・攻撃を指示する・細菌を直接攻撃する・ウイルスの抗体を作る・ガン細胞を排除するなど、様々なものがあります。
その約6〜7割は腸内に存在します。腸内の免疫細胞が血液にのって全身をめぐり、目や鼻、口・腸管など、ウイルスや細菌など異物が侵入しやすい場所では、それを防ぐ『粘膜免疫』として、そして体内に侵入した異物は『全身免疫』として撃退する2段階構造になっています。どちらも重要ですが、様々なウイルスや菌に囲まれながら元気に過ごせるのは、粘膜免疫が働いてくれるおかげです。
免疫は、生まれた時には胎盤や母乳を通じて母親からもらった『抗体』(侵入した異物を無力化する免疫物質)が機能しますが、生後約6カ月で失われます。その後は、生まれつき備わっていて異物を見つけると真っ先に反応する『自然免疫』と、病原体との接触や予防接種で獲得される『獲得免疫』が身体を守ります。