陰陽五行思想と中国の王朝
夏の酷暑や9月の連続台風による気圧の急激な変化などにより、体調を崩していた方もそろそろ体調が落ち着いてきたでしょうか
冬はもう目前ですから、今この気候の落ち着いてきたときに、やれる事・やりたい事をやりましょう
あなたにとって秋は『読書の秋』『スポーツの秋』『食欲の秋』、さてどれでしょうか
突然ではありますが、僕は『三国志』や『水滸伝』・『項羽と劉邦』など、中国の歴史漫画や小説などが好きでよく読んでいました。
その物語のはじめに、例えば三国志では、冒頭の「黄巾の乱」で出てくる言葉
(蒼天すでに死す 黄天まさに立つべし 歳は甲子に在り 天下大吉ならん)
項羽と劉邦では、冒頭で秦の始皇帝が見た不思議な夢の話があり、その内容は、
東から現れた青い服をきた子供と、南から現れた赤い服をきた子供が、
最初は青い服の子供が優勢でしたが、最後には赤い服の子供が青い服の子を負かします。
そこで今回は、陰陽五行思想と中国の王朝の関係について少し書いてみたいと思います。
特に重要なのは『五行思想』ですが、今回は『陰陽思想』についても少し触れておきたいと思います。
陰陽思想とは、世の中全てのものは陰と陽の二つに分類することができ、この陰陽というものはどちらも互いに不可欠なもので、そのバランスがとれて世界は調和するというものです。
例えば太陽と月、太陽が陽で月が陰に属します。昔、月の運行に基づいた暦を太陰暦といい、現在使われている暦は、太陽の運行に基づいた太陽暦を使用しています。
三国志に出てくる地名にも、陰陽がついているものがあります。例えば、「洛陽(らくよう)」「濮陽(ぼくよう)」「淮陰(わいいん)」など。
洛陽は、洛水という川の北にあるから街だから洛陽。 日本でも、中国地方を山陰と山陽に分けて表記しますが、これも真ん中にある中国山地の北側と南側ということに由来しています。
次に五行思想ですが、これは戦国時代の陰陽家・鄒衍(すうえん)が提唱したもので、この世の全てのものは『木・火・土・金・水』の5つの要素に大別できるというものです。
陰陽の2分類から木・火・土・金・水の5分類ですから、大分細かくなりましたね。
今回は色が重要なので、それぞれに当てはまる色だけ記載します。
五行思想に基づくと、漢王朝は火でした。(ここに至るまで色々な議論が交わされているのですが、ここでは省きます。)
そうすると、次の王朝は土ということになります。土に対応する色は黄。
後漢から禅譲を受けた曹氏の『魏』の最初の年号は「黄初」、『呉』の年号もそれに倣ってか「黄武」。一方『蜀』は、自国を漢と称していました。つまり、新王朝ではなく漢の継続ということです。 なので、漢に叛旗を翻した「黄巾の乱」の「黄」という色は、漢に代わる新王朝を表す色だから使用されたのです。
次に項羽と劉邦ですが、東から現れた青い服の子供は木に属する「楚」、南から現れた赤い服をきた子供は火に属する「漢」です。
木は燃えるので火を生じます。関係性は木<火なので、はじめから劉邦が勝つことになっていたと…。
歴史は勝者の歴史ですので、自分たちの都合のいいように色々と変えられていると、僕は思っています。
でも、このようにあれやこれやと考えたり、思いを馳せることが楽しいので、「まぁいっか」というスタンスで楽しむのがいいかなぁと個人的には思っています。
